Hitachi
EnglishEnglish お問い合わせお問い合わせ
メインビジュアル メインビジュアル

2026.03.04

【イベントレポート】
CES 2026が示した「フィジカルAI元年」と企業戦略の転換点

13回表示しました

株式会社日立ソリューションズ(以下、日立ソリューションズ)が運営するコミュニティ「ハロみん」は、2026年1月22日に『GLOBAL TREND NOW vol.9 ~CES 2026速報!世界を驚かせる最先端のトレンドとは~』を開催しました。

本イベントでは、世界最大級のテクノロジー展示会「CES 2026」で示された企業が今後の事業設計を再考するうえで重要となる"フィジカルAI"(生成AIなどの知能がロボットやモビリティといったハードウェアに組み込まれ、自律的に動く技術)の実装動向を整理しました。

講演を務めたのは、CES参加歴12年、グローバルの技術潮流を15年にわたり追い続けてきた日立ソリューションズの市川博一です。

フィジカルAIの本格化、モビリティやロボティクス領域における実装競争、そして企業・国家単位で進むテック戦略の再編。CES 2026では、技術の進化を超え、「産業と競争の前提が変わり始めている」兆しが示されました。

会場・オンラインで交わされた質疑応答でも、展示の是非ではなく、「どのエコシステムに張るべきか」「企業はどこで価値を出せるのか」といった戦略論が中心となり、CESが意思決定の場へと性格を変えつつあることが印象づけられました。

本レポートでは、CES 2026で浮かび上がった主要テックトレンドと企業・国家の動きを整理し、2026年以降のビジネスインパクトを読み解きます。

article_action121_img00_570_411.jpg

<登壇者>

  • article_action110_profile_ichikawa_280_280.jpg

    市川 博一

    株式会社日立ソリューションズ
    グローバルビジネス推進本部
    チーフイノベーションストラテジスト

    入社後、製造業向けSI、大手商社・サービス企業向け企画業務を担当。2010年からアメリカ・シリコンバレーへ赴任し、新規商材発掘業務を担当。2017年に帰国し、アメリカでの活動支援や、スタートアップ創出制度の設計・運用を担当。
    現在でも年に10回ほど渡米し、現地でのトレンドをウォッチしている。

CES 2026の全体像:DXからAXへの転換

2026年1月、米国・ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー展示会「CES 2026」。現地で取材した日立ソリューションズの市川博一は、今年のCESについて「個別の技術展示にとどまらず、業務や製品の前提を問い直す動きが目立っていた」と振り返りました。

CES 2026の出展社数は約4,100社、来場者は約14万8,000人。出展数は微減した一方、日本からの参加者は増加し、韓国企業の存在感が強まっていた点も印象的だったといいます。

こうした全体像を踏まえ、市川は今年のCESを「DX(Digital Transformation)からAX(AI Transformation)への転換がはっきりと見えた場」と位置づけました。業務の一部をデジタル化するのではなく、AIが前提として組み込まれ、製品や業務そのものを再定義しようとする展示が広がっていたといいます。市川は「車をはじめ、多くの分野で、前提から問い直す発想が現実の展示として表れていた」と述べました。

特徴① 「日常で使うAI」へと焦点が移行

市川が象徴的な変化として挙げたのが、「日常で使うAI」への焦点の移行です。従来のような先進的・実験的な展示に比べ、今年はCES 2026の主催団体であるCTAのレポートにおいても、「AIが業務や生活でどう使われているか」が冒頭から示されていました。

米国ではAIを業務に活用している割合が63%、週平均8.7時間の時間創出につながっているというデータも紹介され、市川は「エンタープライズ向けの話がCESの最初に出てきたこと自体が変化」と語りました。

特徴② 直近1〜2年で実現可能な技術展示へのシフト

もう一つの特徴が、展示の時間軸の変化です。これまでCESで多かった「4〜5年後の未来像」ではなく、主催者側の方針として「直近1〜2年で実現可能な技術」を見せることが明確に打ち出されました。

市川は、「夢のある構想よりも、今できること、来年に実装できることを示す展示に変わった」と説明します。展示の派手さは抑えられたものの、「現状と次の一手を堅実に示し、確実に動く技術を重視する姿勢が、今年のCESの特徴だった」と振り返りました。

article_action121_img01_570_380.jpg

CES 2026を象徴する主要テックトレンド

CES 2026では多くの分野にわたる展示や発表が行われました。市川はその中から、特に印象に残ったいくつかのテーマを取り上げ、今年のCESを象徴する技術トレンドとして紹介しました。

【市川が注目したCES 2026の技術的な共通点】
・AIはソフトウェアにとどまらず、ロボットやモビリティ、家電など実体あるプロダクトへ広がっていた
・展示の中心は、構想段階の技術ではなく、実際に動き、使える段階の技術に移っていた
・各分野で共通して見られたのは、AIが判断したあとも自律的に動く設計への変化だった

フィジカルAIが「構想」から「実装・運用」へ

CES 2026を語るうえで欠かせないキーワードとして、市川がまず挙げたのが「フィジカルAI」です。前年のNVIDIAのキーノートで広まり、今年は「元年」の印象だったといいます。会場では人型ロボット、工場設備、モビリティまで、ハードウェア全体がフィジカルAI前提で展示されていました。

特にロボットは「今年は実働していること」が違いだと市川は指摘します。前年はデモンストレーション色の強い展示が多かったのに対し、CES 2026では洗濯物を畳む、繊細な手の動きを再現するといった実用を意識した動作が、安定して行われていました。出展は約40社のうち30社以上が中国企業で、約4,900ドルで「中国ではすでに販売している」と訴求する例も多かったとのことです。

一方で市川は、フィジカルAIはハード単体でもソフト単体でも成立せず、継続運用とメンテナンスが要点だと述べます。日立グループの展示でも運用・保守まで含む全体像が強調されていました。隣接ブースのSiemensは「Industrial AI」を掲げ、NVIDIAと連携して工場を仮想空間でシミュレーションし、予測・最適化につなげる取り組みを紹介。市川は、デジタルツインやIoTとして語られてきた構想が「動き、販売される」段階に入ってきたと語りました。

モビリティの競争軸は「車」から「OS・データ・運用」へ

モビリティ分野は、フィジカルAIの中でも特に進化が進んでいる領域だと市川は指摘します。CES 2026では、完成車の出展が大きく減少し、代わりにセンサーや制御系、ソフトウェアなど、モジュール単位の展示が目立っていました。
数少ない完成車として注目を集めていたのがソニー・ホンダモビリティで、2026年内にカリフォルニア州での納車開始を予定していることを正式に発表し、「販売フェーズ」に入ったことを強く打ち出していました。

また、車両データをブロックチェーンで管理するオンチェーン型モビリティサービスも紹介されました。GoogleやAWSなどがデータを集約するモデルとは異なり、特に欧州企業ではデータ主権への意識が強く、別の設計思想を取ろうとする動きが見られました。現時点では具体的な活用方法は明示されていないものの、市川は「中長期的には、データの扱い方やブロックチェーン連携が、車のソフトウェア側の重要な論点になる」と述べました。

完全自動運転の分野では、Amazon傘下のZOOXが印象的だったといいます。ハンドルや運転席を持たないLevel4の車両を、ラスベガス市内の決まったルートで実際に無償走行させており、市川は「見せる段階を超え、街で動かしている点が重要」と評価しました。フィジカルAIを軸に、プラットフォーマー同士の競争が実装フェーズに入っていることが示されていました。

さらに、バッテリー分野でも展示の質が変化していました。EV市場全体は政策動向の影響もあり一部で縮小傾向にあるものの、バッテリー競争そのものはむしろ激化していると市川は見ています。
CES 2026では、容量や薄さを競うのではなく、AIと連携してバッテリーの劣化やリスクを予測するなど、メンテナンスや長寿命化を前提とした技術が目立っていたといいます。折り曲げ可能な極薄バッテリーや、量産を見据えた全固体電池の発表も多く、市川は「まずは車で技術を磨き、その先に住宅やビルなどスマートシティへ展開していく構想が見えてきた」と振り返りました。

スマートグラスの再浮上と、「行動・内面データ」活用の広がり

CES 2026では、かつて下火になっていたスマートグラスを中心に、ウェアラブルデバイスの展示が再び増えていたと市川は振り返ります。

復活の背景にあるのが、AIとの連携です。従来は情報表示が主な役割だったスマートグラスが、音声で問いかけ、AIが分析・応答する形へと進化し、「手ぶらで使えるスマートフォン」に近い存在として再定義されていました。バッテリー性能も向上し、日常使いが現実的な水準に達している点も要因だといいます。MetaとRay-Banが共同開発したスマートグラスが米国で一定の販売実績を上げていることも、流れを後押ししていました。

加えて市川が注目したのが、人の内面データを扱おうとする動きです。位置情報や行動履歴だけでなく、「なぜその行動を取ったのか」という意図やインサイトをAIで分析する展示が見られました。こうした内面的データの活用は、特にヘルスケア分野を中心に広がる可能性があり、AIとウェアラブルの組み合わせは、CESにおける重要なテーマになりつつあると述べました。

AI家電・スマートホームが「判断して動く」段階へ

AI家電とスマートホームについて市川は、「長年語られてきた構想が、ようやく実装フェーズに入った」と表現します。

大きな変化は、家電が人の指示を待つのではなく、状況を判断したうえで自律的に動く点です。これまで主流だった「提案まではAI、最終操作は人」という形から、「判断後もAIがそのまま実行する」段階へと進みつつあることが、各社の展示から読み取れました。

この流れで存在感を示していたのが、サムスンやLGといった総合家電メーカーです。すべての家電を自社でそろえているからこそ、家全体を理解し、自律的に制御するスマートホームが可能になると強調されていました。LGではロボットが実際に動き、家電を操作する様子が披露されていたといいます。

中国のHisenseもAIを前面に打ち出し、家電全体を統合的に制御する体験を訴求していました。市川は「理解して終わりではなく、判断後に自律で動く点がポイント」だと述べ、AIエージェント的な動きが家電分野にも本格的に入り始めていると指摘しました。

サムスンは会場外のホテルを使い、生活空間そのものを再現した大規模展示を行っており、市川は「スマートホームを、製品展示ではなく一つの体験として見せる新しい試みだった」と振り返ります。こうした動きは、今後のCESにおける展示手法そのものにも影響を与える可能性があると示唆しました。

article_action121_img02_570_380.jpg

CES 2026で浮かび上がった、企業・国家による戦略と選択

CES 2026では、技術そのもの以上に、「誰がどのレイヤーを押さえにいくのか」という企業・国家レベルの戦略がはっきりと見えたと、市川は振り返ります。展示やキーノートを通じて、単なる技術競争ではなく、産業構造の主導権を巡る動きが前面に出ていたといいます。

NVIDIAが自動運転領域で狙う「OSを握る」戦略

CES 2026でもっとも存在感を放っていた企業として、市川が挙げたのがNVIDIAです。会場外のホテルを使った専用展示からも、その影響力の大きさがうかがえたといいます。

中でも注目したのが、自動運転向けフルスタックOS「Alpamayo(アルパマヨ)」です。Level5自動運転を想定した車載OSで、オープンソースとして提供され、すでにメルセデス・ベンツが採用を決定しています。

市川はこの動きを、かつての「Windows×Intel」に近いものと捉えています。GPUからOSまでを一体で提供することで、車両メーカーは基盤部分をNVIDIAに委ね、その上でどんなサービスを実装するかが競争軸になっていく可能性があると語りました。

また、NVIDIAから新チップが大規模な冷却設備を必要としないと発表された直後、データセンター関連企業の株価が大きく下落した一方で、NVIDIA自身の株価は大きく動かなかったことにも触れ、「それだけ市場からの期待値がすでに高い企業になっている」と、その影響力の大きさを改めて強調しました。

出展数で可視化された韓国の国家戦略と、中国の制限付き復帰

CES 2026で市川が強く印象に残ったのが、韓国企業と中国企業の存在感でした。

スタートアップエリアでは、フランスに続いて韓国の展示が大きな比重を占め、出展社数は約850社規模に達していました。日本の出展が約60社にとどまっていたことと比べると、その差は明確だったといいます。

会場には韓国政府・自治体の関係者も多く、出展企業からは渡航費や宿泊費の一部を政府が支援しているという声も聞かれました。市川は、韓国政府がスタートアップ支援として年間約1兆7,000億ウォン(日本円で約6,000億円)規模の予算を投じている点に触れ、「国家として産業競争に本気で関与している姿勢が、CESの会場にそのまま表れていた」と述べました。

中国企業も、前年に比べて出展が大きく回復していました。ロボティクスや家電分野を中心に存在感を示していた一方で、すべての企業が戻ってきたわけではありません。市川は、HuaweiやBYDなど、一部の企業は引き続き出展が認められていなかったと指摘します。
本来であればロボティクス分野で中心的な存在になり得る企業が、展示会から排除されている点に触れ、こうした状況が中長期的にどのような影響をもたらすのか、慎重に見る必要があると市川は語りました。

EVカー・単機能家電・VRの出展減少が示す、技術トレンドの転換

CES 2026では、出展が増えた分野だけでなく、「減った分野」からもトレンドの変化が見えたと市川は語ります。特に、過去2年と比べてEVカーやVRの出展が大きく減少していました。

モビリティ分野の展示自体は多いものの、完成車としてEVカーを出展する企業は少なくなったというのが市川の実感です。背景には政権や政策の影響もあるとしつつ、主催者側が今年は特にロボティクス分野を強く打ち出していた点も影響しているのではないかと説明しました。

家電分野でも、単体の家電に部分的なAI機能を載せた展示は減少し、複数の家電を連携させ、データをもとにパーソナライズする方向へとシフトしていました。「洗濯機に少しAIが入っている、という展示は今後は残らない」と市川は指摘します。

VRについても、かつて主流だったヘッドセット型の展示はほとんど見られず、関心はスマートグラスを中心としたARへ移っていました。市川は、出展カテゴリの変化そのものが技術トレンドの重心移動を示していると振り返りました。

article_action121_img03_570_380.jpg

CESから読み解く2026年以降の競争軸と経営判断

CES 2026を通じて市川は、AIの進化そのものよりも、「AIを前提に企業活動や経営判断が変わり始めている点」に注目したといいます。ここでは、今後1年を見据えたビジネス上のインパクトについて整理します。

AIは「使う」から「任せる」へ。フィジカルAI時代の競争軸は「運用力」

市川は、AIの使い方が「活用」から「委任」へ移行していくと語ります。これまでのように人の判断を補助する存在ではなく、「どこまで任せられるか」「どこまで信頼できるか」が問われる段階に入っているという認識です。

フィジカルAIにおいても重要なのは、ロボットやデバイスが動くこと自体ではなく、実業務で継続的に使えるかどうかだと指摘しました。単発のデモではなく、保守やサポートを含めた運用体制を構築できるかが、評価の分かれ目になると市川は述べています。

経営判断の論点は「どのエコシステムに張るか?」へ

もう一つの論点として市川が挙げたのが、「どのエコシステムに参加するか」という戦略的選択です。自動運転OSの事例にも見られるように、今後は技術単体で競争するのではなく、どの陣営に属し、どのレイヤーで価値を出すかが重要になるといいます。

すべてを自社で完結させることが難しくなる中で、スタートアップ連携についても、「活用する」のではなく、「自社に足りないピースをどう補うか」という視点に変わっていくと整理しました。AIの進化とエコシステムの選択次第で、ビジネスモデルの成立や普及スピードが左右されるため、経営判断としての選択がより重くなると語りました。

総括:フィジカルAIが実装段階に入り、産業設計と競争軸を変え始めた

市川はCES 2026を振り返り、「AI機能付きデバイスが増えた段階を超え、産業や業務そのものを再設計するフェーズに入った」と整理しました。個々の製品が便利になるのではなく、「その業務自体が必要か」「人が担うべき工程なのか」という前提を問い直す展示が目立っていたといいます。

その変化を象徴していたのが、「フィジカルAI」という言葉の広がりです。工場やモビリティ、家電などで、AIが実体あるプロダクトと結びつき、デモではなく実運用を前提とした形で示されており、市川は「今年はフィジカルAIの元年と呼べる年になる」と述べました。

こうした流れの中で、競争の軸も変わり始めています。もはや一社ですべてを完結させるのは難しく、どのAI基盤やエコシステムと組み、どのレイヤーで価値を出すかが企業戦略の中核になります。CES 2026は、技術の進化だけでなく、戦略的な陣営選択が企業の将来を左右する段階に入ったことを示す場だったと、市川は総括しました。

article_action121_img04_570_380.jpg

質疑応答:フィジカルAI時代、企業はどこで競争力を発揮できるか?

①今回のCESで、産業構造そのものが変わりつつあると感じた領域は?

市川は、「単体デバイスにAIを載せる展示」と「産業構造に影響する動き」は意味合いが異なると前置きしたうえで、「特にモビリティ領域で変化を強く感じた」と述べました。車両性能だけでなく、モジュール構成やメンテナンス性、どの企業と組むかまで含めた再設計が進んでおり、「構造変革が始まっている印象がある」と振り返りました。

②工場やモビリティ領域でOT・IT・AIの統合が進む中で、見落とすと失敗につながる点は?

市川はまず、「ハードウェアが強いからフィジカルAIなら勝てる、という単純な話ではない」と指摘。ハード、ソフト、メンテナンス、運用を含めた一体設計が不可欠だと述べました。

LLMの基盤レイヤーでは米国企業が先行している一方で、その上で動く業務アプリケーションや実運用のソフトウェアは、各国・各社が取り組む余地があるとも語ります。ただし、中国企業の開発については、「品質に粗さはあっても、トライアンドエラーのスピードが非常に速い」とし、日本企業が慎重すぎる姿勢を取り続けることへの懸念を示しました。

市川は、フィジカルAIは「ソフトウェア以上に総合力が問われ、むしろ戦いは厳しくなる」と語りました。

article_action121_img05_570_380.jpg

③フィジカルAI実現に向けた協業の形や、部品など固有技術を持つプレイヤーの勝ち筋は?

市川は、「一社完結を前提にしていない事例が増えている」と述べました。韓国では、サムスンのように垂直統合が可能な企業は例外として、ロボット分野で企業が役割分担し、コンソーシアム形式で事業に取り組む動きが見られたといいます。

成功の可否はまだ見極め段階としつつも、協業前提の構造が現実的な選択肢として提示されていた点は印象的だったと振り返ります。

また、完成品だけでなく、モーターやベアリングなど部品単位の展示が多く、「特定機能に強みを持つ企業は生き残る余地がある」と指摘しました。大手企業がそれらを束ねる構図も見えてきたと語りました

④日本企業はフィジカルAI分野で競争力を発揮できるか?

市川は、中国企業の勢いが非常に強いとしたうえで、日本企業においては「完成品として前に出るより、部品や特定技術で組み込まれているケースが多い」と述べました。ロボティクスに限らず、日本企業が買収され、品質はそのままに資本やブランドが変わっていく事例が増えている現状にも触れました。

一方で、モビリティ分野では、欧州企業が米国プラットフォーマーに依存しない設計を志向しており、車両データを自国・域内で管理するため、ブロックチェーンなどを用いた独自管理の模索が進んでいると説明しました。

こうした状況を踏まえ、市川はiPhoneに日本製部品が使われている構図になぞらえ、フィジカルAI分野でも「強みを持つ部品・技術で存在感を発揮する形が現実的ではないか」との見方を示しました。

article_action121_img06_570_380.jpg


セッション終了後には、「AI前提×自社事業で考える成長戦略とは?」をテーマにしたラウンドテーブルが行われました。CES 2026で示されたフィジカルAIの実装や競争軸の変化を踏まえながら、AIを前提とした事業設計や、自社はどのレイヤーで価値を発揮すべきかといった点について、参加者同士で議論が深められました。

article_action121_img07_570_380.jpg
article_action121_img08_570_380.jpg

その後のネットワーキングでは、業界や立場を超えた交流が行われ、ラウンドテーブルでの議論を起点に、具体的な課題感や取り組み事例について意見交換する姿も見られました。

本レポートが、CES 2026を通じて浮かび上がったフィジカルAIの実装フェーズと戦略的論点を整理し、皆さまが「AI前提」で自社の成長戦略を考える際の一助となれば幸いです。

日立ソリューションズからのお知らせ

日立ソリューションズでは、協創で未来をつくっていくオープンなコミュニティ「ハロみん」を、2024年4月より運営しています。「ワクワクする未来へ 一歩踏み出す、協創の出発点」を掲げ、「繋がる」「探索する」「深める」「創る」をコンセプトにイベントや参加者同士の交流などの活動を行っています。モビリティ、セキュリティ・まちづくりDX・先進技術などを幅広いテーマを取り上げております。その一環で、今回のようなイベントもオウンドメディア「未来へのアクション」でご紹介していますので、皆さんのご参加もお待ちしています。今後のイベント予定はこちらをご参照ください。
https://future.hitachi-solutions.co.jp/community

新着記事
「AI」の記事
【イベントレポート】 2026年に予測される世界の最新AIトレンドを一気に公開! グローバル企業は全社エージェント化を進め、スタートアップはAI乱世に? 激変する世界で日本企業が生き残るためのAIエージェント導入戦略とは
2026/02/06
【イベントレポート】 2026年に予測される世界の最新AIトレンドを一気に公開! グローバル企業は全社エージェント化を進め、スタートアップはAI乱世に? 激変する世界で日本企業が生き残るためのAIエージェント導入戦略とは
日立ソリューションズが運営するコミュニティ「ハロみん」は、2025年12月18日にオンラインイベント『GLOBAL TREND NOW Vol.8 ~AIトレンド 2025年の総括と2026年の展望~』を開催しました。2025年、AIエージェントが私たちの働き方・暮らし方を根本から変え始めています。ChatGPTやGeminiに代表される生成AIは、今や「エージェント化」のフェーズへと進化。自律的にタスクをこなし、意思決定を支援するAIが、企業活動の中核を担い始めています。本イベントでは、シリコンバレーに駐在する現地メンバーもリモートでライブ登壇。グローバルのリアルな空気感とともに2025年のAIエージェントに関する動向を振り返りつつ、2026年に向けたスタートアップ戦略や主要トレンドも一挙にご紹介しました。また、2025年12月10日~11日にアメリカ・ニューヨークで開催された世界最大級の商用AIカンファレンス「The AI Summit New York」で見聞した最新情報も速報で紹介。2026年に向けて予測される技術・ビジネスの変化や、世界のAIトレンドを牽引する米国からの展望、そして今後日本企業がとるべきAIエージェント導入戦略などについて熱く語りました。以下にその内容をダイジェストでお伝えします。最新のAIトレンドに興味のある方、AIを事業活動や企業活動に活用されたい方は必見です。ぜひご覧ください。
465
「DX」の記事
【イベントレポート】 世界のサステナビリティをけん引する欧州の最新事情を公開! 欧州テック企業がフォーカスするトップカテゴリの 先進事例から見えてくる 日本の潜在力と未来にバトンを渡すための課題
2025/12/23
【イベントレポート】 世界のサステナビリティをけん引する欧州の最新事情を公開! 欧州テック企業がフォーカスするトップカテゴリの 先進事例から見えてくる 日本の潜在力と未来にバトンを渡すための課題
日立ソリューションズが運営するコミュニティ「ハロみん」は、2025年11月4日にオンラインイベント『GLOBAL TREND NOW ~現地からライブ配信! 欧州の最新スタートアップトレンド × サステナビリティ動向~』を開催しました。今回のGLOBAL TREND NOWでは、世界のサステナビリティをけん引する欧州に注目しました。サステナビリティとデジタル変革が融合する欧州域ではビッグデータやSaaSを中心としたSXへの革新的な取り組みが加速しており、世界中からの注目が集っているとともに、日立ソリューションズも英国・ロンドンに拠点を置き、新情報や新技術の収集と日本への適用を行っています。本イベントでは、9月~10月に欧州各地で開催される主要カンファレンス「Big Data LDN」や「Sifted Summit」、「World Summit AI」、「SaaStock」の最新の情報や潮流を、今年からロンドンでテックスカウティング活動(新しい技術やスタートアップを積極的に発掘して連携や投資につなげるプロセス)を行うHitachi Solutions Europe Ltd.の小尾 隆行が現地からライブで報告。また、日本からはグローバルテクノロジーの潮流を14年間見つめ続けてきた日立ソリューションズの市川 博一も参加し、グローバルのサステナビリティやテクノロジー、スタートアップの動向をリアルタイムでお伝えしました。最新のグローバル/欧州のテックやサステナビリティのトレンドにご興味のある方、世界の最新技術をキャッチアップされている方、新規事業立ち上げのために情報収集をしている方は必見です。ぜひご覧ください。
352
「IoT」の記事
「ハロみん活動」の記事
【イベントレポート】 IT企業が社内PETボトルの水平リサイクルに挑戦! ナッジ効果とアイデアで事業系回収を低コストかつ高品質に実現し 大幅なCO2削減と従業員のウェルビーイング向上に貢献
2025/12/19
【イベントレポート】 IT企業が社内PETボトルの水平リサイクルに挑戦! ナッジ効果とアイデアで事業系回収を低コストかつ高品質に実現し 大幅なCO2削減と従業員のウェルビーイング向上に貢献
2025年11月7日に、東京・渋谷で株式会社日立アカデミー主催のリアルイベント「未来共創サロン Green × AI × Talk~環境に配慮したまちのつくりかた、みんなの小さなアクションに向けたワークショップ~」が開催されました。このイベントは"環境×まちづくり"をテーマに、協賛・賛同する各社のさまざまな取り組み事例が紹介されたほか、環境に関連する生成AI活用術も学べるプログラムも用意。企業の枠を越えて多様な視点や経験を持つ仲間との交流や発見を通じて、持続可能な未来への意識を高める興味深いワークショップとなりました。そこに日立ソリューションズが運営するコミュニティ「ハロみん」も協賛の形で参加。PETボトル水平リサイクルを普及させるための社内の取り組みをご紹介しました。今回はその内容をダイジェストでお伝えします。身近な環境問題に対応する企業事例を知りたい方や、あなたのアイデアをまちづくりや環境活動に活かしたい方、AIを活用したワークショップに興味のある方などは必見です。ぜひご覧ください。
474
「製造業」の記事
イベント情報
PICKUP
COMMUNITY
チャットルームのご案内
コミュニティ『ハロみん』のチャットルームであなたを待っている人がいる。
日立ソリューションズはオープンなコミュニティ『ハロみん』でサステナビリティをテーマに活動しています。
みんなでより気軽に、より深く繋がれるよう、無料のオンラインチャットルームをご用意しています。
情報収集や仲間探しなど、さまざまな話題で自由にお話ししましょう。
ぜひご参加ください。