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2023.03.31

【イベントレポート】イノベーションを創出する協創スタイルについて議論しました -イノベーションを生み出すかけ算のチカラ-

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2023年3月1日(水)、日立ソリューションズは、オープンイノベーションとコミュニティに興味がある方を対象に、オンラインセミナー「イノベーションを生み出すかけ算のチカラ ~コミュニティで偶然をチャンスに変える新たな協創スタイル~」を開催しました。本記事では、ディスカッションの様子を中心に、それぞれの想いやコミュニティ活動における今後の期待などを紹介します。

コミュニティがイノベーションになぜ重要なのか

オープニングセッションでは、日立ソリューションズ 経営企画本部 中崎一成より、日立ソリューションズの「協創」の取り組みについて紹介。イノベーションが起きるためには、多様なバックグラウンドを持った人同士の「偶然の出会い」から生まれるアイデアとそこから新しいビジネスを創り出す「協創」が起きることが重要であると説明。そこで「コミュニティ」が大きな役割を果たすのではないか、と提案しました。そこで、ビジネスのアイデアをカタチにするためのオンライン協創空間として、日立ソリューションズがサービスを提供するDXラボについて紹介しました。

続いて基調講演として、61万部のベストセラー『1分で話せ』の著者であり、Zホールディングスグループの中で次世代リーダーを育成するための社内学校「Zアカデミア」の学長、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長を務める伊藤羊一さんが登壇。「ともに未来をつくろう」というテーマでお話しいただきました。伊藤さんは、DXによって目まぐるしく世界が変わる中で、アントレプレナーシップはどう作っていくのか、そして、伊藤さんが武蔵野大学の中で自ら作ろうとしている武蔵野バレー構想の話をされ、コミュニティはなぜ重要なのか、同じテーマのもとに集まった人たちがフラットな関係で夢を語ることの大切さ、といったお話をされました。

次に、「コミュニティで偶然をチャンスに変える新たな協創スタイル」のタイトルで、伊藤羊一さん、横浜未来機構事務局の福井直樹さん、日立ソリューションズDX協創戦略部の西泰彦の3名によるパネルディスカッションが行われました。モデレーターは日立ソリューションズの中崎が務めました。ダイジェストで紹介します。

100社が参加する地域コミュニティ

ー(モデレーター)横浜未来機構はどのような活動をされているのですか。

福井:横浜未来機構は、会員企業100社と横浜市が協力し、新しいイノベーションを生み出すためのプロジェクトを立ち上げるお手伝いをしています。現在、情報通信系の企業と自動車の組み込み制御を行う企業が共同で、みなとみらい周辺で自動運転バスを走らせる実証実験を行うなど、会員企業単独もしくは会員同士のコラボレーションによって10個のプロジェクトが進行しています。また、イノベーション人材の育成と交流をテーマに、横浜市のスタートアップと横浜の学生を結んでインターンシップの橋渡しを行ったり、みなとみらい近辺の10会場70ブースで「横浜の未来」という展示を行ったりもしています。

西:日立ソリューションズも横浜未来機構の取り組みに参加させていただいています。当社は、オンライン空間で新しい事業やサービスを立ち上げる支援をする「DXラボ」を横浜未来機構に提供しています。具体的には昨年、様々なアイデアを出すオンラインワークショップを開催し、1ヶ月間に100を超えるアイデアが出ました。私自身も楽しみながら参加しましたが、様々な地域課題を見つけることができたと思います。

ー伊藤さん、この取り組みを聞いていかがですか。

伊藤:私も横浜未来機構のコミュニティに参加しているのですが、事務局の方がとにかく熱い。コミュニティの初期段階においては熱意が非常に大事です。コミュニティっていきなり盛り上がるはずはなくて、その推進力になるのは中心にいる1人か2人の燃えている人の熱意に尽きると思います。何かイベントをするにしても、メンバーの8割方は一歩外側から見ています。でもその中心で誰かクレイジーな人が燃えていると、面白そうに思えて自然と巻き込まれていってしまう。オンラインでは夢が語られにくいという人もいますが、オンラインとオフラインのハイブリッドという環境はすごくいいし、そうした中から100個を超えるアイデアが出てくるというのは納得です。

ーコミュニティのメリットとはどういう点にあると思いますか。

西:1つは自分にはない観点を得られるということです。私は映画が好きなので映画で例えますが、同じ映画を観たとしても、観る人によってまったく解釈が異なることがあります。私はグッドエンド(幸せな結末)と思っていたのに、他の人はバッドエンド(不幸な結末)と捉えていたなど、異なる観点に気づけます。また、私は映画を年間に多いと100本ほど観ることもあるのですが、他の人から「それは多い!」と言われることがあります。自分では普通だと思っていたことが、周りから見ると特別だったりなど、自分自身に関する内向きの気づきを得られることもメリットだと思います。

企業のタガを外してもらうことが重要

福井:私たち事務局が意識していることは、各企業のメンバーの皆さんに企業のタガを外してもらい、個人と個人が繋がっているコミュニティを作るということです。個人の思いとか志が露呈した時に初めて何か化学反応が起き始めると思っているからです。

伊藤:一人ひとりが企業の代表として参加していると、夢を語る時も企業の夢になってしまう。○○金属の伊藤です、××建設の西です、という関係性からは企業の事業連携の話しか出てこない。そこを外して個人としての夢がストレートに出せると面白くなっていきます。 オンラインとオフラインの組み合わせの話ですが、オンラインならではの良さもあると思います。メタバースの中、アバター同士で喋り出すと、もうどこそこ企業の誰々ですなんて自己紹介をしないでしょう。そういう効果があると思います。

西:また、アバターで参加している人が上位の役職者だったとしても、見た目では分からないのでフラットに話せるという感覚はあります。相手がどういう人だから気を使わなくちゃいけないといったフィルターがないので、ストレートな熱量が届く良さがあると思います。

ー福井さんにお伺いしますが、横浜未来機構の会員企業はどんなメリットがあって参加されていると思いますか。

福井:横浜未来機構が企業と行政を繋ぐ役割を果たしていることが大きいかと思います。例えば実証実験で無人バスを走らせるという時に、道路局や警察をはじめ許可を取らなくてはならないところが多く出てきますが、私たちがそこの仲立ちをすることで非常にスムーズに進むというメリットがあります。また大学と企業を繋いで、プロジェクトベースの事業やインターンシップを仲立ちしていることも、期待された役割を担っていると思っています。

「Good もっと」のフィードバック

ー西さんにお聞きしますが、多数のコミュニティにDXラボを導入した経験から、オンラインのコミュニティを運営する上で重要なことは何だと思われますか。

西:DXラボではチャット、ビデオ通話、オンラインホワイトボード、メタバースなどいろんなITの仕組みを組み合わせて活用していますが、それらが熱量を持って活用されるために重要なことは、フィードバックが返ってくるということです。誰かが勇気を持って発信したことに対して1つのコメントでもいいので、フィードバックが返ってくるというのはやはりうれしいですね。それこそがアクションが継続してコミュニティが盛り上がっていく1つのコツだと思います。

中崎:フィードバックって大事ですよね。今、Zoomの画面を見ながらお話してるんですが、視聴されている方々からリアクション頂くとすごく嬉しくなってしまいますね。

ーフィードバックを返すコツというのもあるのでしょうか。

伊藤:フィードバックはもちろん、肯定的な意見をもらえるとテンションが上がるので、いいね1つでもいいと思います。ただ欲を言えば、そこに改善点を加えてやるともっといいですね。私は「Good もっと」と言っているのですが、「その意見いいね、さらにこれをこうするともっといいかもしれない」というような返しをしてあげると、議論が活性化します。「Good もっと」、ぜひ皆さんも明日から使ってください。

テーマの解像度を上げて活性化を促す

ー素晴らしいキーワードをありがとうございます。ところで、オンラインだと熱い人とそうでもない人の温度差が生まれやすいような気がします。その点はどう工夫していますか。

福井:テーマの解像度を上げることが重要だと思っています。なんとなく広いテーマで集めたコミュニティはなかなか続きません。例えば、「ウェルビーイング(心身ともに健康的で、幸福でいられること)」のテーマで始まったコミュニティがあったのですが、それを「シニアウェルビーイング」に変え、さらに、「横浜のシニアウェルビーイング」という風に具体化した瞬間に、参加者が増えました。今までコミュニティに参加したことのない高齢の親を持つ60代、70代の主婦の方などが参加して活発に議論してくれるようになった。解像度を上げることはすごく効果があります。
もう1つ重要なことはコミュニティの中に新しい情報を投下し続けるということです。多くの情報はすぐに消化されてしまうので、情報投下が止まった瞬間に熱量が落ちる傾向があります。みんなが美味しいと思う情報を探してどんどん投入するということが重要です。

イベントを終えて ~コミュニティ活動の機運の高まりを実感~

  • 中崎 一成

    経営企画本部

  • 西 泰彦

    DX協創戦略部

イノベーションを生み出すためには、課題を見つけ、解決するという2つのステップを踏みます。そのどちらのステップにおいても、様々な年代や属性の個人がコミュニティを作り、フラットに思いや志を話しあうことが大切だということを、今回のイベントを通して実感しました。
その際、社内で組織横断的なコミュニティを作るという方法もありますが、同じ企業内ではどうしても属性が偏ってしまいます。そこで、社外の人に社内のコミュニティに加わってもらったり、社外に出て行って外のコミュニティに参加したり、双方向に繋がる取り組みをしていくことが、イノベーションの創出に効果的だということも皆様にご理解いただけたのではないかと思います。

今回のWEBセミナーでは、視聴者の方々からたくさんのチャットやハートマーク、いいねのリアクションをいただきました。伊藤羊一さんにも積極的にチャットに参加いただき、パネラーと視聴者が一体感を持ってフラットにコミュニケーションした、大変盛り上がったイベントになりました。これもコミュニティならではと思います。

また視聴者アンケートでは、42%の方が何らかのコミュニティに参加しており、23%の方が参加していないが興味があると回答されていました。このことから、コミュニティ活動の機運が高まっていることを感じました。

今後、私たち日立ソリューションズも、さまざまなコミュニティを通じて皆さんと繋がり、偶然の出会いと活発な会話、協創によっていくつものイノベーションを一緒に生み出していきたいと思います。

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