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2025.11.07

「サステナビリティ」とは?
未来を創る持続可能な社会へ、今日からできること

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その概念が登場してから久しく、今や日常生活においても毎日のように接する言葉となった「サステナビリティ(Sustainability)」。それはビジネスの文脈でも同様で、現在、多くの企業が公開するウェブサイトや年次報告書などの中にも登場し、その視点は現代社会において不可欠なものとなっています。

その一方で、この言葉の意味や指し示す状態などを明確に理解することは難しく、曖昧な定義で使用されているケースも多く存在します。「サステナビリティとは環境問題のことではないのか?」と考える人や、「なぜ何十年も前から存在するこの概念が、今になってこれほどまでにビジネスの最優先事項として扱われるようになったのか?」といった疑問を抱く人も多いことでしょう。また、「持続可能な社会の実現と言われても、あまりに漠然としていて自分ごととして捉えられない」と感じている人もいるかもしれません。

この記事では、サステナビリティが現代ビジネスを営むうえでなぜ不可欠な概念なのか、そして、私たち一人ひとりがサステナビリティを高めるための取り組みを進めることでいかなる未来が拓くのか、明らかにしていきます。

「サステナビリティ」とは何か?未来へつなぐ「持続可能性」の概念

サステナビリティという概念は、現代社会において、なぜこれほどまでに重要視されるようになったのでしょうか。サステナビリティの定義と歴史的背景、そして現代におけるその緊急性を通じて、その背景を深く掘り下げたいと思います。

定義:地球と社会、そして私たちの未来を守る「持続可能な発展」

サステナビリティは、英語の「sustain(持続する、支える)」と「ability(~できる能力)」を組み合わせた言葉であり、日本語では一般的に「持続可能性」と訳されています。

現代的な文脈で国際社会における共通言語となったのは、1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)」が公表した報告書「我ら共有の未来(OurCommonFuture)」がきっかけです。この報告書において、サステナビリティの中核をなす「持続可能な開発」という概念が、「将来の世代の欲求を満たしうる能力を損なうことなく、現在の世代の欲求を満たすような開発」と定義されました(※1)。

人類社会の進化を考えるうえで、この定義は画期的な価値観を提示しています。これまで進歩を示す中核的価値観であった豊かさの追求に加え、現在の経済活動が未来の世代からその機会を奪うものであってはならないという、世代を超えた倫理観を明確に示しているからです。ここで注目したいのは、単なる環境保護に留まらず、社会のあり方や経済活動も含んだ包括的な概念であるという点です。

そうしたことから、サステナビリティは、相互に依存し合う3つの柱の上に成り立っているとされています。「環境」「社会」「経済」です。真の持続可能性とは、どれかを立てるためにどれかを犠牲とするということではなく、3つすべてが長期的に繁栄できる調和の取れたバランスを見出すことであると言えます。

※1 環境省:環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)報告書-1987年-『OurCommonFuture(邦題:我ら共有の未来)』概要

なぜ今、「サステナビリティ」が注目されるのか?背景にある地球規模の課題

サステナビリティという概念自体は数十年前から存在していましたが、近年、その重要性が急速に高まっています。これは、私たちの社会が地球規模の多面的危機に同時に直面し、従来の社会経済システムの見直しの必要性を感じ始めたことがきっかけとなります。

サステナビリティの重要性が高まっている背景にある、地球規模の多面的危機
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気候変動はもはや未来の脅威ではなく、私たちの生活を脅かす現実となっています。科学的知見の集積と、気候変動に関する国際的な枠組みである「パリ協定」などの合意形成は、温室効果ガスの排出削減が待ったなしの課題であることを明確にしました(※2)。また、世界人口が80億人を突破し、水や食料、エネルギーといった有限な資源への需要が急増する中で、「採取し、作り、捨てる」という一方通行の経済モデルでは立ちいかなくなるのではという懸念も生まれています。

また、グローバル化と急速な技術革新は、多くの人々に豊かさをもたらした一方で、富の偏在や社会的格差が生じる要因とされる向きもあります。これらの状況は、経済システムや政治体制の安定を揺るがす大きなリスク要因として認識されるようになっています。

そしてこうした物理的危機に加え、人々の価値観の変化が企業行動を大きく左右するようになりました。企業に事業資金を提供する投資家は、企業のサステナビリティへの取り組みの欠如を、単なる評判の問題ではなく、長期的な財務パフォーマンスを損なうリスクと見なすようになりました。特に、企業の非財務情報である環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を評価して投資先を選ぶESG投資の拡大は、企業にとってサステナビリティへの対応を、資金調達に直結する経営課題へと押し上げました。

また、情報へのアクセスが容易になった現代において、生活者はより倫理的な製品を、従業員は自らの価値観に合致する企業で働くことを求める傾向が強まっています。サステナビリティは、ブランドへの信頼やロイヤルティ、さらには優秀な人財を惹きつけ、維持するための不可欠な要素となっているのです。

※2 外務省:2020年以降の枠組み:パリ協定

関連用語との違いとつながり

サステナビリティに関する議論では、「SDGs」「ESG」「CSR」といった多くの関連用語が登場します。サステナビリティとこれらの言葉は互いに深く関連していますが、それぞれの目的や主体、焦点が異なります。

サステナビリティに関連する用語である「SDGs」「ESG」「CSR」との関係性
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・SDGs

「SDGs(SustainableDevelopmentGoals:持続可能な開発目標)」とは、2015年に国連に加盟するすべての国によって採択された、2030年までに達成をめざす17の具体的な国際目標です(※3)。これは、サステナブルな世界がどのようなものであるかを具体的に示した、世界共通の行動計画と言えます。17の目標は、貧困や飢餓の撲滅(目標1,2)、質の高い教育やジェンダー平等(目標4,5)といった社会的な課題から、気候変動対策(目標13)、責任ある消費と生産(目標12)といった環境課題まで、サステナビリティが包含する三側面を網羅しています。

サステナビリティとSDGsの関係は、「概念」と「具体的な目標」の関係と捉えることができます。サステナビリティが「持続可能な社会」というめざすべき姿を端的に表現した概念であるとすれば、SDGsは企業や政府、そして個人がその実現に向けて取り組むべき具体的行動リスト(To-Doリスト)の役割を果たします。

※3 外務省:SDGsとは?

・ESG

先ほども少し触れましたが、ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの頭文字を取った言葉です。これは目標そのものではなく、主に投資家や金融機関が企業の非財務的な価値を評価するために用いる「視点」や「評価軸」であると言えます。

ESG投資の根底にある考え方は、これら3つの側面で優れたパフォーマンスを示す企業は、リスク管理能力が高く、事業のレジリエンス(強靭性)があり、長期的に持続可能な成長を遂げる可能性が高いというものです。つまり、ESGは従来の財務諸表だけでは見えにくい、企業の将来価値や潜在的なリスクとそこへの対応力を測るための重要な尺度なのです。サステナビリティとESGの関係は、「概念」と「測定手段」の関係にあります。ESGは、サステナビリティという概念を、企業活動の文脈で測定可能かつ投資可能な指標に落とし込むためのフレームワークです。

・CSR

そして、CSR(CorporateSocialResponsibility)とは、企業が利益を追求するだけでなく、社会の一員として倫理的な行動を取り、ステークホルダーに対して責任を果たすべきであるという考え方です。日本語で「企業の社会的責任」と訳されています。具体的な活動としては、ボランティア活動などの社会貢献、環境保護活動、コンプライアンス遵守などが挙げられます。

・「サステナビリティ経営」との関連:概念と実践の区別

「サステナビリティ」は、将来世代のニーズを損なうことなく現在のニーズを満たす「持続可能性」という広範な概念を指します。これは、企業がめざすべき理想像や理念を示します。

対して、「サステナビリティ経営」は、このサステナビリティの概念を、企業の事業戦略、組織体制、日々の業務プロセスに具体的に組み込み、実行していく実践を意味します。単なる理念に留まらず、環境負荷低減、人権尊重、ガバナンス強化などを具体的な目標として設定し、KPI(重要業績評価指標)に基づき進捗を管理し、情報開示を通じてステークホルダーに説明責任を果たすといった、具体的な行動を伴います。

つまり、サステナビリティは「めざすべき方向性」を示す思想であり、サステナビリティ経営は「その方向性を実現するための具体的な経営手法」という区別になります。

サステナビリティを構成する3つの柱:環境・社会・経済のバランス

前述のとおり、サステナビリティは単一の課題ではなく「環境」「社会」「経済」という3つの柱が相互に支え合うことで成り立つ、包括的な概念です。この3つの柱のバランスを保つことが、持続可能な社会を実現する上での鍵となります。

サステナビリティが成り立つための3つの柱
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・環境(Environment):地球の恵みを未来へつなぐ

環境の柱では、地球という生命の基盤を守り、人間の活動が自然環境に与える負荷を最小限に抑えることを目的とします。これは、未来の世代が私たちと同じように、豊かな自然の恵みを享受できるようにするための責任です。自然資本の保全と人間の活動による負の影響の最小化に焦点を当てます。主な課題として、温室効果ガス(GHG)排出による気候変動、限りある資源の枯渇、大気・水質などの汚染、そして生物の生息地破壊による生物多様性の喪失などが挙げられます。

企業や社会レベルでの具体的取り組みとして、脱炭素化の推進、循環型経済の実現などが挙がります。脱炭素化では、事業活動で消費するエネルギーを、化石燃料から太陽光や風力といった再生可能エネルギーへの転換をめざします。また、工場やオフィスのエネルギー効率を改善し、省エネを徹底することも重要です。循環型社会に向けては、従来の「採取・製造・廃棄」という一方通行の経済モデルから脱却し、資源を循環させる仕組みの構築をめざします。製品を長く使えるように設計し、修理や再利用を容易にすること、廃棄物を資源として再活用することなどが含まれます。

・社会(Social):誰もが豊かに暮らせる社会を築く

社会の柱では、人権の尊重と幸福の追求を目的とします。企業や組織が、従業員、顧客、サプライヤー、そして地域社会といったすべてのステークホルダーに対して、公正かつ倫理的な配慮を行うことをめざします。主な課題には、国内外のサプライチェーンにおける人権や労働環境の保護、ジェンダーや人種などを含む多様な視点の実現などが挙げられます。

企業や社会レベルでの具体的取り組みとして、倫理的な労働慣行の実践や多様な視点の確保、地域社会への貢献などが挙がります。倫理的労働慣行では、サプライチェーンの末端に至るまで、公正な賃金、安全な労働条件を保証する人権デューデリジェンス(人権リスクの調査)を実施することが求められます。また、性別、人種、国籍、障がいの有無などに関わらず、すべての従業員が尊重され、平等な機会を得られる職場環境を整備します。地域社会への貢献では、事業拠点のある地域社会の発展に貢献するため、地域雇用の創出、ボランティア活動の支援、地域のNPOとの連携などを通じて、良好な関係を築きます。

・経済(Economy):長期的な経済成長と社会的安定の両立

経済の柱では、短期的な利益の最大化ではなく、長期的に安定した経済的価値を生み出すことをめざします。環境や社会に負の影響を与えることで成り立つ経済成長ではなく、すべてのステークホルダーに利益が公正に分配される、強靭で包摂的な経済モデルを構築することを意味します。

企業や社会レベルでの具体的取り組みとして、サステナブルなビジネスモデルの構築、イノベーションへの投資、コーポレート・ガバナンスの強化などが挙がります。クリーンエネルギー技術、省資源型の製品、医療や教育へのアクセスを改善するサービスなど、社会・環境課題の解決そのものを事業の核に据えたビジネスモデルの構築が求められます。その際、グリーンテクノロジーやサーキュラーエコノミーを実現するための新しい技術・素材の研究開発など、イノベーションへの積極的な投資が不可欠になってきます。また、すべてのステークホルダーの利益を考慮した、透明性が高く公正な経営体制の構築も忘れてはなりません。

3つの柱の相互関連性

最も重要な点は、これら3つの柱が独立したものではなく、深く絡み合った一つのシステムであると理解することです。一つの柱への取り組みは、他の柱に何らかの影響を及ぼす傾向があります。例えば、ある工場がコスト削減のために汚染水を処理することなく近隣の川に流した場合(経済を優先)、地域の水源が汚染され、住民の健康が脅かされます(社会への負の影響)。さらに、生態系が破壊され(環境への負の影響)、結果として企業は行政からの罰則、ブランドイメージの失墜、不買運動といった形で経済的な打撃を受けることになります。これは負の連鎖です。

この3つの柱の中でも、特に「経済」の柱は、従来のビジネスのあり方に最も根本的な変革を迫るものです。伝統的な経済学では、企業の価値は主に利益や株主へのリターンといった財務指標で測られ、環境汚染や社会問題への影響は「外部性」として、企業が負担すべきコストとは見なされてきませんでした。

これに対し、「持続可能な経済」とは、単に「儲かっているか」ではなく、「どのようにして儲けているか」が問われます。自然資本を枯渇させたり、労働者を不当に扱ったりすることに依存していないか。むしろ、環境や社会の問題を解決することによって利益を生み出しているか。この問いこそが、20世紀型の資本主義から、21世紀の持続可能な社会にふさわしい企業像へと移行するための核心だと言えます。

社会全体での取り組み:政府・企業・NPOの役割と事例

サステナビリティは、一つの組織や個人の努力だけでは実現できません。政府、企業、そしてNPO/NGOといった社会を構成する多様な主体が、それぞれの役割を果たし、連携することで初めて実現可能になります。

サステナビリティの実現に向けた政府、企業、NPO/NGOそれぞれの役割
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・政府・国際機関の役割:政策と枠組みで未来を導く

政府および国連などの国際機関は、サステナビリティの実現に向けた社会全体の方向性を定め、すべての主体が活動するための「ルール」や「インセンティブ」を設計する役割を担います。いわば社会変革の「設計者」であり、「審判」であると言えます。その取り組みの代表例が、気候変動対策の国際的な枠組みである「パリ協定」です。この協定は、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求するという世界共通の長期目標を掲げ、各国に温室効果ガス削減目標(NDC)の提出と5年ごとの更新を義務付けています。このような国際合意が、世界全体の潮流を決定づけます。

各国政府の国際的公約は、各国の国内政策へと落とし込まれます。日本では、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」宣言(※4)や、それを実現するための産業政策である「グリーン成長戦略」が策定されました(※5)。これらの戦略は、エネルギー、運輸、製造業といった重点分野において野心的な目標を設定し、企業に対してどの分野に未来の投資と成長機会があるのかを明確に示しています。政府は、規制、補助金、税制優遇といった政策ツールを駆使して、企業の行動変容を促します。

※4 環境省:2050年カーボンニュートラルの実現に向けて
※5 経済産業省:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

・企業の役割:ビジネスを通じて社会課題を解決する

政府がルールを設定する一方で、そのルールの中でイノベーションを起こし、具体的な解決策を社会に実装していくのが企業の役割です。企業は、技術、人財、資金といったリソースを動員し、社会課題解決を推進する「実行者」であり、「建設者」と言えます。

特にIT業界にとって、その役割は極めて重要です。なぜなら、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が、サステナビリティを実現するための強力な推進力となるからです。テクノロジーは、単に業務を効率化するだけでなく、企業やその顧客がより持続可能になるための基盤を提供します。IoTセンサーで収集したデータをAIが分析し、エネルギー消費を最適化するスマート工場やスマートビルは、その代表例です。

・NPO・NGOの役割:社会の課題に光を当て、行動を促す

非営利組織(NPO)や非政府組織(NGO)は、政府や企業とは異なる独自の立場で、サステナビリティの推進に不可欠な役割を果たします。これらの組織は、社会の「良心」であり、変革を促す「触媒」となります。

NPO/NGOは、政府や企業の目が届きにくい社会の片隅にある問題や、新たに出現した環境問題にいち早く光を当て、社会全体の注意を喚起します。加えてNPO/NGOは、利害の異なる多様なステークホルダー(企業、行政、地域住民など)の間に立ち、対話と協働を促進する中立的な「仲介者」としての役割を担うこともできます。企業がNPOと連携して行う寄付活動やボランティアプログラムは、その典型例です。

私たちの生活とサステナビリティ:今日からできる具体的なアクション

サステナビリティは、政府や企業だけの課題ではありません。壮大な目標を「自分ごと」として捉え、日々の生活の中で具体的な行動に移すことが、持続可能な未来を築くための最も確実な一歩となります。

地球規模の危機回避に向けて、生活者一人ひとりができること
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・「賢い消費」で未来をデザインする:環境・社会・経済への配慮

私たちの消費行動は、単に個人や団体がモノやサービスを手に入れるだけにとどまらない意味を持った行為であると言えます。どのような未来を支持するのか、消費行動を通じて意思を表明するいわば「投票」の側面があります。価格や品質といった従来の判断基準に、「社会・環境への影響」という第3の軸を加えることによって、生活者は未来をデザインできます。

環境への配慮で製品を選ぶ際には、リサイクル素材が使われているか、過剰なプラスチック包装がされていないか、製造から輸送までのCO2排出量が少ないか、といった点に注目しましょう。有機JASマークのような、環境負荷の低減を認証するエコラベルも良い判断材料になります。

社会への配慮で選ぶ場合には、開発途上国の生産者に公正な対価が支払われることを保証する「フェアトレード」認証製品を選ぶことで、グローバルな貧困問題の解決に貢献できます。また、サプライチェーンにおける労働者の人権への配慮を積極的に情報開示している企業の製品を支持することも重要です。
経済への配慮で選ぶ場合には、地元で生産されたものを地元で消費する「地産地消」を心がけるのも一つの視点です。地域の農家や小規模事業者を支援することは、地域経済を活性化させると同時に、長距離輸送に伴うエネルギー消費とCO2排出(フードマイレージ)を削減する効果があります。

・「資源の循環」を暮らしに取り入れる:エネルギーと廃棄物の見直し

私たちの生活は、エネルギーや水、食料といった限りある資源の上に成り立っています。これらの資源を大切に使い、無駄をなくし、循環させる仕組みを生活に取り入れることが不可欠です。使っていない部屋の照明を消す、家電製品のコンセントを抜く、エアコンの設定温度を適切に保つ(夏は高めに、冬は低めに)といった習慣は、エネルギー消費と光熱費の削減に直結します。また、再生可能エネルギー由来の電力を利用するという選択もあります。

また、ごみを減らし、資源として活かす、3Rの実践も重要です。マイバッグやマイボトル、マイカップを携帯し、レジ袋やペットボトル、使い捨てカップといった一度しか使われないプラスチックを断ることで、ごみの発生そのものを防ぐ「リデュース(発生抑制)」を実践できます。また、衣服を修理したり、空き瓶を保存容器として使ったりすることで、モノを一度きりで捨てずに、繰り返し使う「リユース(再利用)」を、どうしても出てしまう廃棄物は、自治体のルールに従って正しく分別し、資源として再生利用できるルートに乗せることで「リサイクル(再生利用)」を実践できます。

・「意識と行動の輪」を広げる:学び、伝え、参加する

個人の行動が大きなうねりとなるためには、その行動の輪を広げていくことが不可欠です。そのためには、まず自らが学び、その知識を周囲と共有し、具体的な活動に参加することが力になります。サステナビリティは常に進化する分野であるため、継続的な情報収集が重要です。そして、学んだことを友人や家族、職場の同僚と共有することもおすすめです。

さらに、地域の清掃活動や共感する理念を掲げるNPO等が主催する環境保全活動やボランティアへの参加なども、サステナビリティの実現に向けた身体的な体験となるでしょう。

個人の一つひとつの行動は、一見すると些細なものに思えるかもしれません。しかし、それらの行動が集まることで、市場に対して強力な「需要シグナル」を送ることができます。

持続可能な未来へ、社会、企業、そしてあなたの第一歩を

サステナビリティは、もはや遠い未来の理想論や、一部の企業が取り組む社会貢献活動ではなくなりました。不確実性が増す現代において、個人、企業、そして社会全体がレジリエンスを高め、長期的な価値を創造していくための、最も現実的かつ戦略的なパラダイムなのです。

企業の中では、積極的にサステナビリティ経営に参画するビジネスパーソンが増えています。個人視点からサステナビリティについて考え始めると、直面する課題のあまりの大きさに面食らうこともあるかもしれません。しかし、どんなに長い旅も、最初の一歩から始まります。職場で一つの質問を投げかけること、あるいは、家庭で新しい習慣を始めること、その一つひとつの選択と行動が、目に見えないところでつながり、より大きな変化のうねりを生み出します。よりよい世界・社会をつないでいけるよう、未来に思いを馳せることから始めていきましょう。

本サイトに記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商号、登録商標または商品名称です。
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