皆さんのクラブはどのようなセッティングになっていますか?キャディバッグの中で出番を待っている各クラブの飛距離をしっかり把握することこそが、ベストスコア更新への重要なポイントです。改めてクラブセッティングを確認してみましょう。
白戸 由香
プロゴルファー
青森県南津軽郡出身。
日立ソフトウエアソフトボール部で活躍した後、1993年にプロゴルファーへと転向。2014年のレジェンズツアー「シブヤカップ」で初優勝。17年には「ふくやカップマダムオープン」と「シブヤカップ」を制覇し、レジェンズツアー賞金女王に輝いている。レジェンズツアー6勝。日立ソリューションズ所属。22年に行われた「JLPGAレジェンズチャンピオンシップCHOFUカップ」でも最終日最終組を回り4位に入っている。
山本さん
ゴルフ歴30年(ベストスコア81)
※本記事は2023年7月に掲載されたものです。
クラブセッティングの基本として一般的に言われているのが、一番飛ばないクラブを基準にして、各クラブのロフト角の間隔を均等にすること。これを間違うとクラブ間のギャップが生まれ「苦手な距離」が生まれてしまいます。また、クラブの重量や硬さ、キックポイントなどがバラバラだと、スイングにも悪影響を及ぼします。スコアアップのために、実は非常に重要なクラブセッティング。白戸プロと山本さんに、じっくりとお話しいただきました。
――白戸プロがクラブセッティングで一番気を使うこととは何でしょうか。
白戸 流れ、ですね。それぞれのクラブの重量やスペックなどがバラバラなのはよくないです。だから1本だけこれがいい、と選ぶというのは危険ですね。山本さんはクラブに対して、何か問題点を感じていらっしゃいますか。
山本 一番悩むのが、170ヤード前後の距離が残った時です。今使っているUT(23度、180〜170ヤードで使用)だと距離が出てしまうので、クラブを短く持ってコンパクトに、と思うと左に行くミスが多いです。5番アイアンのショットもあまりいい結果が出なくて...。
白戸 私の提案としては、確率の悪い5番アイアンと同じ距離(170〜165ヤード)が出るUTに替えるというのが1つ。さらにグリーンに近くなった際に使用する、アプローチ用ウェッジを入れるとクラブセッティングの流れが良くなると思います。
山本 そうですね。そうしましょう。
白戸 その上で各クラブの重量などにも注目して、全体の流れを調和させてみてください。
クラブセッティングの流れが決まったら、次のテーマはプレーの50%を占めるショートゲーム。
特にアプローチ用のグリーンやバンカーを備えているゴルフ場であれば、しっかりと調整してから朝イチのティーショットに臨みたいもの。 そこで白戸プロに、ショートゲームの極意をレッスンしていただきましょう!
【白戸プロのお手本】
朝は余裕を持ってコースに到着し、ショートゲームを練習しておきたいもの。そうすれば必ずプラスの効果が出てくるはずです。アプローチは、まず落としどころを決めて、そこにしっかりと落とす練習が最適です。
【山本さんのアプローチ】
私も朝のスタート前はやることがいろいろあって、練習ができないことが少なくありません。しかし今回はスタート前に白戸プロのレッスンを受けることができました。そのおかげもあり、朝の練習の必要性を痛感しました。
【山本さんのお悩み】
最近はバンカーショットに苦手意識があります。ピンに寄せたい、ではなくて、とにかくバンカーから脱出できればいい、という打ち方になってしまっています。
【白戸プロのワンポイント】
バンカーショットで大事なポイントは、インパクトですべてが終わるのではなく、フィニッシュまでしっかり振り抜くこと。山本さんも、そこに気をつかわれるようになって、バンカーショットが安定しました。
――やはりショートゲームがスコアアップのカギを握りそうですね。
白戸 アマチュアの方は、キャリーの距離についてあまり考えが及ばず、ランも含めたトータルの距離で考えていることが多いんです。でも実戦では、キャリーの距離を知り、そこに落とす意識が大事です。
――確かに実戦では、100ヤード以内に入ってからグリーンを捉えられないとスコアに響きますね。
山本 はい。私も残りの距離が5~60ヤードのコントロールショットになってから、グリーンを外すことが多いんです。しかもこのくらいの距離のバンカーに入ることもあるので、そこから苦労することもよくあります。それは、自分のコースマネジメントの問題でもありますね。
白戸 実戦でいえば、バンカー越えのショットでは、まずバンカーをしっかり越えることが大切です。落とし場所を決めて、そこに落とす練習をすることが有効です。
これまで日本オープンや日本女子オープンといった国内最高峰のメジャー大会を開催してきた琵琶湖カントリー倶楽部が、SDGsでも全国的に注目を集める存在になっています。実はヤンマーホールディングスのグループ会社が運営しており、関連企業であるヤンマーエネルギーシステム株式会社のサービスを導入してコース内におけるカーボンニュートラル化の取り組みを進めているからです。
琵琶湖CCは日本オープンなどのメジャートーナメントを開催してきた名門コースです。ゴルフ場の規模も、通常の18ホールより大きい27ホール。
ゴルファーたちがプレー後に汗を流す大浴場をはじめ、クラブハウスの冷暖房などで同クラブのCO2排出量は年間約800トンに上ります。このうちの300トンを、太陽光発電システムやバイオマスエネルギーである木製チップボイラーなどを使用することで削減することができたといいます。残る500トンは、コースを維持管理する芝刈り機の燃料などから出るCO2であり、現時点では削減が難しい状況でした。そこで浮上してきたのが、カーボンオフセットの手法です。
敷地内の太陽光パネル
カーボンオフセットとは、経済活動などで削減することができなかったCO2の埋め合わせをすることです。例えば、CO2を削減する活動への投資や寄付、他の場所で実現した排出削減量や吸収量の購入などがよく知られています。カーボンオフセットの取り組みをさらに進め、排出量の全体をオフセットするのがカーボンニュートラルです。
同コースの横田潤一郎支配人が、取り組みの内容を説明してくれました。「300トンのうち250トンは、太陽光と木質チップボイラーが大きな削減量となります。残る50トンはエネルギーマネジメントシステムで削減しつつ、さらにリチウムイオン電池なども使う工夫をしました。後の賄いきれない500トンはグリーン電力などのクリーンな電力を買うことや、J−クレジットなどで補って、ゼロになっています」
実はそれだけではありません。琵琶湖CCはもう1つのテーマを掲げています。
バイオコンポスター
「食物残渣(ざんさ)や枯れ芝も、結局は廃棄物になりますので、これを堆肥化して植木などにまいて、循環させていきます。将来は自前で野菜を作ったり、植栽を作ったりして循環させていくのが理想ですね」と横田支配人。
「自然共生型」を標榜するゴルフ場などから、多くの問い合わせや講演依頼まで舞い込んでいるという琵琶湖CC。今後も多くのゴルフ場から注目を浴びつつ、この分野のフロントランナーとしての役割を果たしていってくれそうです。
ボイラー燃料庫