しろと・ゆか
1969年青森県南津軽郡出身。
日立ソフトウェア女子ソフトボール部で活躍後、93年にプロゴルファー転向。
2014年に女子シニアのレジェンズツアー「シブヤカップ」で初勝利。
17年に「ふくやカップマダムオープン」と「シブヤカップ」を制覇し、レジェンズツアー賞金女王に輝いた。日立ソリューションズ所属。
QUESTION●お悩み 自分の予想とは違う球筋が出てしまう
時々プッシュアウト気味のボールが出て、苦手意識のあったドライバーに比べると、アイアンは割と好きなクラブです。ただ、様々なライから打つ時に、予想とは違う球筋が出てしまうことがあります。その原因を、まず知りたいです。
次にグリーンを狙うショットの正確性を上げるには、どうしたらいいでしょうか。いいショットが出た時でも、アライメント(アドレス時における肩、腰、スタンスなどの向き)が間違っているのか、グリーンを外すこともあります。アドレスでのボールの位置や、スタンスの取り方などは、どのように決めたらいいでしょうか。
ANSWER●回答 斜面では低い方の足に6割の体重を乗せ、コンパクトに振る
【ダウンヒルのショット】
トップはコンパクトにして、フォロースルーも低く出します。低い球が出るのを想定に入れて、ボールを無理に上げようとしないことです。スイングが小さくなる分、飛距離も落ちます。7番アイアンの距離なら、6番を持ってください。
【アップヒルのショット】
地面をしっかり抑え込む感覚を持ち、ハーフショットのイメージでスイングしてください。
POINT ➊
アイアンショットの場合、斜面の影響を受けてボールが予想とは違う方向に飛んでいきがち。そこで許容範囲を設けることが肝心です。例えばグリーンの右手前にピンが切ってあって、その手前に池などがある場合。ダウンヒルのライからピンを直接狙うと罠につかまる危険性が高まります。グリーンのセンター狙いが正解です。
POINT ➋
斜面からはコントロールショットが原則です。写真のようなアップヒルのライでは、右足6割、左足4割の体重配分でアドレスしています。右足に10割の体重が乗り、左足への体重がゼロでは、振り抜きが悪くなってしまうからです。また、こうしたライでフルスイングは禁物。特に下半身の動きを制限してコンパクトに振り抜いてください。
白戸プロ診断●アドバイス 下半身の"暴れすぎ"を抑える
松山さんのアイアンが散らばる原因は、大きな体重移動。左ヒザのニーアクションも大きいです。トップの位置も高く、スイングもフィニッシュまで大きく振り抜いていました。フラットなライでのショットなら、文句なしのスイングです。左足の動きも、素晴らしいショットの一因になるでしょう。
しかし、斜面からのショットでフルスイングは禁物です。こうしたライからは、ボールを1個分右足寄りに置き、ハーフショットのつもりでコンパクトにスイングします。下の連続写真をご覧ください。最も顕著なのは、フィニッシュの形です。コントロールショットのお手本のような、コンパクトな位置にクラブが収まっていますよね。
こうしたライで、もう一つ頭に入れていただきたいのは、フラットなライのアドレスに比較してボールが体から遠くなること。その分ヒザを深く曲げて、クラウチング(前傾角度)も大きくなります。下半身をしっかりセットして、コンパクトに。斜面からの好ショットがこれで約束されます。
大きなトップ(左から3枚目)と高いフォロー(5枚目)。こうしたダウンヒルのライでは難しいショットになってしまいます。左右のニーアクション(4枚目円内)も大きすぎます
右から3枚目のトップは若干低くなり、フォロー(左から5枚目)も低く収まりました。両ヒザの動き(4枚目円内)も制限され、ボールをつかまえやすくなっています
松山さんの感想
ドライバーでもアイアンでも指摘されたのが、ヒールアップするほどの下半身の動きでした。これがいろいろな球筋が出てしまう原因だったのですね。
斜面から打ったショットにはバラツキが出ていました。この原因として、ヒールアップすることでスイングのリズムを取っている、との指摘を受けましたが、自分では体が硬いという自覚がありました。それでヒールアップするようになったんだと思います。体重を斜面の低い方に6割配分して、コンパクトに振ると、しっかりボールをつかまえることができました。今回指摘してもらったことは、今後のスコアメークにすごく役立ちそうです。
ゴルフを楽しむ!ビギナー講座
コース保護編
セルフプレーが増えて、バンカーが荒れていたり、グリーン上のピッチマークがそのままだったりという話をよく聞きます。きれいなコースでプレーしたい気持ちは誰もが同じ。今回はコースコンディションを良好に保つため、知っておきたいマナーを学びましょう。
ターフを取ったらその跡に目土を!ディボット後に目土をする
アイアンショットなどでターフを取った後に、できてしまうのが、芝の下にある土が露出した状態のディボット跡。フェアウエーのところどころに、こうした跡ができているのを見たことがあるでしょう。
これがそのままになっていると、ボールがここに入るケースが少なくありません。せっかくフェアウエーに打てたのですから、いいライから打ちたいものです。カートに常備してある目土袋に入っている砂を使い、写真の要領でディボット跡を埋めてください。
入った時よりきれいにならして!バンカーをならす
バンカーに入ったボールが、ならされていない足跡のところに止まっていたら、とても難しいショットになってしまいます。後から来るプレーヤーのためにも、バンカーショットを打ったら、備えつけのレーキでその跡をならしてください。
バンカーには低いところから入り、同じところから出ていくのが基本です。ショットでできた穴と足跡をならしながら、戻っていきます。入った時より、きれいなバンカーにして出ていくことを心がけてください。
ピッチマークは外側から中心に寄せるように!ピッチマークを直す
高い弾道で打ったボールが、グリーン上にナイスオン。いいショットが打てた証明が、ピッチマークです。
でもこのピッチマークをそのままにしておくのはマナー違反。自分で作ったピッチマークは必ず修復しましょう。グリーン上のピッチマークは、グリーンフォークを刺し、穴の外側から内側へ寄せるようにして修復します。グリーンフォークの先端を刺してから上に持ち上げると、芝の根を切ってしまいます。マークの中央に向かって、柄の部分を動かして直しましょう。
制作協力/清流舎
取材・撮影協力/スターツ笠間ゴルフ倶楽部(茨城県笠間市) TEL:0296-72-8126