日立ソリューションズでは、毎年新たなデザインの卓上カレンダーを制作し、年末年始のご挨拶の際に、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまにお渡ししています。2022年度に「SXプロジェクト」を立ち上げて以降は、デスクの上などでご活用いただくのに加え、日立ソリューションズのSX(Sustainability Transformation)への姿勢・取り組みについてお伝えするためのツールという位置づけとして、内容も変化してきました。全3回にわたってご紹介している「『SX Calendar 2025』カレンダーができるまで」。中編では、こだわりの詰まった台紙に注目していきます。
前編はこちら:【制作レポート】人×AIの協創?「SX Calendar 2025」とは
持続可能な社会を実現するためのSX活動においては、個人としても、企業としても、環境配慮の意識を持ち取り組んでいくことが欠かせません。そこで印刷技術に精通するプリンティングディレクターを含めた制作チーム内で相談し、2025年版カレンダーでは日立ソリューションズ社内で出た古紙から生まれた和紙を台紙として使用することに。
これまで「#wakami_sutenai PJ」の一環として古紙再生とその商品化に取り組まれてきた吉川紙商事株式会社ご協力のもと、少しばかり紙欠片が残る風合いと滑らかな質感が特徴的なカレンダー台紙ができあがりました。
「現代の和紙の、新しい魅力を。」という合言葉のもと吉川紙商事株式会社が越前の石川製紙株式会社とタッグを組んで始めた、#wakamiという名のプロジェクト。日本の水や資源が可能にした和紙独自の性質をもとに、使用済みとなった紙が循環された紙としてもう一度人々の手元に戻っていくまでの取り組みです。 制作の流れは、以下の図の通りです。
日立ソリューションズおよび制作パートナーである株式会社Hakuhodo DY ONE社内で出た雑紙や使用済み段ボールを分別し、回収いただきました。分別というかたちでプロジェクトへ参加してもらうことで、社員のサステナブル意識の向上も図ることができました。
※各社総務部の監修のもと、セキュリティ面の担保として機密性に問題のない雑紙のみを回収しています。
社内で回収した古紙と石川製紙内にて発生する工場内古紙を混ぜ合わせ、新たな紙をすいていきます。乾燥させた紙は、ランダムに散りばめられた段ボールの模様と、どことなく和紙本来の上品な雰囲気が漂う独自の質感となって生まれ変わりました。
若狭 健
プリンティングディレクター
念願だった未来につながる循環型の印刷物。数多ある環境に配慮した印刷物の中でも、企業活動から生じる廃棄物を分別&回収し、再生和紙へと循環し、クリエイティブが光る印刷を実現する難易度が高いプロジェクトでした。デザインと印刷が融合し、未来と伝統が溶け合うタイムレスなプロダクトです。このカレンダーが、プロジェクトチームの想いとサステナビリティの「本質」を内包しながら、襷となり、未来に繋げていってくれることを願っています。吉川 聡
吉川紙商事株式会社 常務取締役執行役員 営業統括本部本部長 / #wakami_sutenai PJ 代表
今回ご一緒させていただいた「環境問題に対するプロジェクト」は、スタートしたばかりで、この先長い期間続いていくものと認識しております。これからマラソンのように続いていくプロジェクトの中において、「難しくなかった」「身近であった」といった印象を少しでも持っていただければ、私自身、こんなに嬉しいことはございません。なによりも我々#wakami_sutenai PJが大切にしていることは「これなら自分でもできる」という実感を持っていただくことなので...。 「気付いたら変わっていた未来」そんな将来がこの先に実現することを願い、 ご挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
■#wakami
日立ソリューションズが取り組む「SXプロジェクト」は、持続可能な社会の実現に向けて、環境価値・社会価値・経済価値のトレードオンでの向上をめざす全社活動です。 「人とAIの協創」をテーマに制作した2025年版のカレンダー。次回は、実際に集まったみなさんの声と生成AIがともに紙面デザインをつくりあげていく様子をお届けします。
日立ソリューションズは、持続可能な社会の実現に向けて、「プロワイズ」をはじめ、オウンドメディア「未来へのアクション」やSNS(X・Instagram「日立ソリューションズSX情報局」アカウント)など、さまざまな媒体を通じて、役立つ情報を幅広く発信しています。今後も、ステークホルダーの皆さまと協創し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じたSXを促進していきます。