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ユージと語ろう!SXでひらく社会の可能性

「建設業=3K」なんて過去の話!?
テクノロジーが安全で働きやすい建設業界の実現に貢献

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建設業界が抱える「高齢化」「人手不足」「安全性」などの課題。シリーズ2回目の今回は、建設現場で働いていた経験もあるタレントのユージさんと、リアルな現場目線とテクノロジーの最前線から、その課題解決に向けた「建設テック」の可能性と今後について、そしてSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を学んでいきましょう。

※本記事は2025年9月に掲載されたものです。
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    ユージ

    1987年、アメリカ・フロリダ州生まれ。中学生時代にファッションモデルとして芸能活動を始め、現在はモデル、タレント、俳優として幅広く活躍。2021年からは朝のニュースワイド番組『ONE MORNING』(TOKYO FM)のパーソナリティーを務める。

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    長谷川 豪

    株式会社日立ソリューションズ
    営業統括本部 デジタルイノベーション営業本部

    入社以来、人財/ワークスタイル変革関連の専門ソリューション営業として十数年間活動。現在はソリューション立ち上げや拡販ナレッジなどを活かし、建設テックおよびスマートビル関連商材の拡販推進、建設企業との協創活動などに従事。

将来は親方に・・・ユージさんが情熱を注いだ建設業界がいま抱える課題

長谷川:ユージさんは、若い頃、建設業界に関わられていたんですよね?

ユージ:はい。16歳から19歳まで建設現場で働いていました。僕がいた会社は、鳶、大工、塗装、解体など、建設にまつわることは何でも引き受けるところで、現場に応じていろいろな職種を経験しました。特に足場組みの仕事が多くて、単管(建築工事で使用する鋼材)を朝に積んでトラックで現場に行き、終わったら解体してまた持ち帰る、そんな毎日でした。

長谷川:多岐にわたって現場に関わってこられたのですね。やりがいや楽しさはどんなところにありましたか?

ユージ:子どもの頃から建築現場を見るのが好きで、大工さんが何かを作っていく様子にワクワクしていました。その延長で建設の道に進んだのです。あとは、単純に稼げるというのも大きな理由。16歳で働き始めた僕にとっては、建設業は"稼げる世界"でした。体力には自信があったし、ものづくりが好きだったので、将来もこの世界で食べていこうとずっと思っていました。

長谷川:本気だったんですね。

ユージ:親方になるのが夢でした(笑)

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長谷川:それから20年くらい経ち、今は業界をめぐる状況もかなり変化してきています。一つは、働き手の高齢化です。現在の建設業界は60歳を超えても第一線で働く人が多いですし、技能継承が課題になっています。ただ、ITやDXに対するリテラシーが高くない人も多く、ITを活用したノウハウの蓄積や継承も容易ではありません。職人気質もあって、新しい技術に対する抵抗感は強いですね。

ユージ:わかります。例えば、新しいユンボ(※1)ひとつ導入するのでも、「こんな便利な機能があるらしいですよ」と親方に説明しても、「そんなところで楽をしてどうする。今うちにあるやつが一番手の感覚が伝わるんだ」と怒られたり・・・(笑)。そういう世界ですよね。

※1 油圧ショベルのこと、掘削用の建設機械
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長谷川:また、建設業界の人財不足も深刻ですね。特に中小規模の企業が人財確保に困っていて、求人を出してもなかなか人が集まらない。

ユージ:僕の友人にも建設会社をやっている人が多いのですが、人手不足に悩んでいます。

長谷川:また、これは昔から変わらない点かもしれませんが、他業種と比較し、労働災害の発生率が高いという課題も挙げられます。ユージさんは、現場で働かれている際、危険を感じたことはありましたか?

ユージ:山ほどあります(笑)。今は安全基準がかなり厳しくなっていると思いますが、昔は命綱を付けずに高所作業をするということもありましたし、足場の最初の1本を組む時なんて、本当に何もない場所に立って体を張って作業をしていました。

長谷川:建設テックは、まさにITの導入によって業務効率化、安全性の向上を図り、高齢化、人財不足、安全対策といった課題を解決するものです。まさに日立ソリューションズでも、そうした業界課題に対応する各種ソリューションの開発・提供を通じて、建設現場の変革を支援しています。

AIカメラで検査を効率化、生体センサーで熱中症対策・・・可能性が広がる最新建設テック

ユージ:具体的には、日立ソリューションズさんでは、どのような技術やソリューションを提供されていますか?

長谷川:例えば、タブレット端末に特殊カメラを搭載して撮影することで、鉄筋の出来形(工事施工が完了した部分)をチェックできる技術があります。太さ、本数、ピッチが自動でチェックされて、報告書も自動生成。作業時間が3分の1になります。他にもドローンや360度カメラを使った測量、進捗管理、設計との整合性チェックなども進んでいます。

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ユージ:これまで人の目で確認していた作業ですよね。すごいなあ。安全対策では、どのようなソリューションがありますか?

長谷川:たとえば、AIによる画像認識で安全帯の未装着を検知する機能ですとか、ヘルメットにセンサーをつけて熱中症のリスクを知らせるソリューションなどがあります。

ユージ:なるほど。やはり現場でも、うっかり安全帯をつけ忘れてしまう人というのはいるので、未装着を検知する機能は安全対策としていいなと思いましたね。そして、熱中症・・・最近は特に高温多湿がひどいですよね。

長谷川:はい。センサーで脈拍や発汗量、転倒・落下などの状況を常にモニタリングすることで、熱中症に限らず、現場作業者の身に何かあった時に、すぐに気づくことができます。また安全対策としては、危険エリアに立ち入るとアラートが鳴る仕組みも最近では導入されています。

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ユージ:それはどういう技術ですか?

長谷川:たとえば足場が不安定な場所、重機に近いエリアあるいは立ち入り禁止の設備エリアなどは、カメラ映像に対して座標情報などであらかじめ危険エリアを定義しておきます。そこに人が入ろうとすると、カメラがそれを検知して、アラートで知らせてくれるんです。

ユージ:話を聞いていて思いついたのですが、安全帯の未装着を検知する機能について、たとえアラートを流したとしても、最終的に作業者本人の判断に任せているだけでは、着用の徹底は難しい気がします。そこで、たとえば誰かひとりでも未装着の人がいると、作業者全員の安全帯から警告音や振動が発生するような仕組みにすれば、お互いに声をかけ合い、着用を促すきっかけにならないでしょうか。

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長谷川:なるほど! いいアイデアをいただきました。

ユージ:それと、休憩時間になるとアラートで知らせる仕組みも導入してほしいですね。現場って良くも悪くも縦社会で、上の人が働いていると休みにくい雰囲気があるので。それと集中していると時間を忘れてしまうこともよくあります。そういう時にアラートを鳴らしてくれると、しっかり休憩できるようになります。

長谷川:それも、労働環境の改善にもつながるので素晴らしいアイデアですね! 今までなかったアイデアなので社内で共有してみます。

ユージ:AIカメラのソリューションなどと比べると、単純な話かもしれませんけどね(笑)。ただのタイマー機能のようなものですし。

長谷川:いえいえ。目の前の課題を一つひとつ丁寧に解消していくことこそが、「建設業の課題解決」という業界全体へのアプローチにつながると考えています。課題や技術の大小に関わらず、地道な改善こそが、業界、ひいては社会の未来を変えていく原動力になるんです。

競合ではなく協創する関係を作り、建設業界全体を下支えしていきたい

ユージ:話を聞いていて、こうした建設テックはもっと現場に広まってほしいと感じました。

長谷川:私もそう思うのですが、先ほどユージさんもお話しされていたように、現場の方々が新しい技術に対して抵抗を感じやすいというのが課題です。若手から声をあげて現場を変えていこうという流れが生まれると理想的なのですが、意思決定者がデジタル環境に不慣れな世代ですと、それもなかなか難しいですよね。

ユージ:そうですね。あと、そういった先端技術は費用的に大手ゼネコンさんでしか導入できないのでは?という懸念も中小企業にはあるような気がします。

長谷川:実は割と安価で導入できるツールも多いので、ぜひ知っていただきたいですね。

ユージ:現場の方々って、本来「効率」をすごく重視する人たちでもあるんです。作業時間が1日延びてしまうだけで、金額も大きく変わってしまう。なので、「難しくないよ、導入しやすいよ、圧倒的に効率が上がるよ」というメリットを、しっかりとお伝えしていくことが普及していく上で大事なんでしょうね。

長谷川:おっしゃる通りです。「伝わる発信をする」ことが当社を含め、ツールやサービスを提供する側の課題だと思います。

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ユージ:僕ができることがあればお手伝いしますよ(笑)。最後に、長谷川さんは今後、建設業をどう変えていきたいですか?

長谷川:生産性の向上、品質の確保、安全衛生、この3つを柱に、全工程を一元管理できる仕組み作りに取り組んでいきたいと考えています。また、新規参入ベンダーとは競争するのではなく、それぞれの強みで相互に補完し合うことで建設業界全体に共通するようなプラットフォームを提供し、安全確保や生産性向上を下支えできるように取り組んでいきたいとも思っています。当社では2022年度より、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の推進を行っているのですが、建設業界全体の持続的な発展に貢献することも、当社が担うべきSXであると捉えており、今後さらに積極的に推進していきたいと考えています。

ユージ:素晴らしいですね!

長谷川:ユージさんは建設業界の未来についてどう見ていますか?

ユージ:建設業はAIに取って代わられる仕事じゃない。人の手が絶対に必要です。ただ、テクノロジーと組み合わせることで、より安全に、より効率よく、働く人を守れるようになる。僕の周りにも、そういう技術のことを知らない仲間がたくさんいるので、しっかり伝えていきたいと思っています。今日は、ありがとうございました!

このシリーズでは、ほかにもユージさんとモビリティやサイバーセキュリティに関する対談を行っています。ぜひ、ご一読ください。

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